フリーダイビングは水の中のマインドフルネス|弊社代表・本橋へいすけインタビュー【前編】
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ここ最近、注目されるスポーツに、身体1つで海の中にひと息で潜る「フリーダイビング」があります。
とはいえ「名前は聞いたことはあるけど、実際はよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。
近年では「スキンダイビング」や「魚突き」が盛り上がってきて、素潜りをする人は少しずつ増えてきています。
しかし、素潜りでは海の中で深さ5~10m潜れるくらいの人がほとんどです。
そんな中、弊社(feppiness株式会社)代表の本橋へいすけは、幼いころから耳が弱くて耳抜きができなかったにもかかわらず、なんとスキンダイビングを初めて1年5ヶ月、フリーダイバーになって5ヶ月で-40mの世界へ足を踏み入れました。
フリーダイビングの何が、彼を夢中にさせたのでしょうか。
そこで今回は、起業家でありながらフリーダイバーとしても活動して-40mを潜る代表の本橋にインタビューしてみました。
最近では、代表本橋の影響力もあってか、運営するコミュニティ「for you」のメンバー達(起業家)も次々に海に潜り、フリーダイビングにチャレンジする現象まで起きているそうです。
前編の本記事では、フリーダイビングの魅力や未経験からフリーダイビングに挑戦した、代表の本橋のリアルな体験談をお伝えします。
▼後編を見たい方は、以下をご覧くださいね!
関連記事【フリーダイビングは究極の自己対話|弊社代表・本橋へいすけインタビュー【後編】】
目次
フリーダイビングとスキンダイビングの違い
へいすけ:
マリンスポーツや海に興味が出てくると「フリーダイビング」と「スキンダイビング」という2つの言葉を耳にする人もいるかもしれませんね。
どちらも共通しているのは「酸素のボンベなど使わず自分の息だけで海へ潜ること」。つまり素潜りなんです。
フリーダイビングとは?
※実際にフリーダイビングで海に深く潜っている代表
さおり:
なるほど、どちらも素潜りをする点は一緒なんですね!ではフリーダイビングって、どのようなことをするんですか。
へいすけ:
フリーダイビングは、ひと息で海に潜る「深さ」「長さ」「距離」を伸ばすことを目的とした、競技性のあるスポーツなんです。
「深さ」は海の中の深度、つまり「何mまで深く潜れるか?」を競います。みなさんがイメージするように、海に潜って行うものです。
「長さ」は息を止める長さ「何分止められるか?」を競います。これは主にプールで行われます。
「距離」は横移動のmの距離を伸ばすスポーツです。こちらも主にプールで行いますよ。
さおり:
素潜りの「深さ」「長さ」「距離」を競うスポーツなんですね。「長さ」と「距離」の測定はプールで行うとは知りませんでした!
なんとなく、すべて海で行うイメージでした。
スキンダイビングとは?
※実際にスキンダイビングで珊瑚を見ている代表
さおり:
では、スキンダイビングとはどのような点が違うんでしょうか。
へいすけ:
スキンダイビングは、海の中を素潜りで楽しむレジャーです。主に、海の中の珊瑚や魚を見たり、洞窟をくぐったりしますよ。
さおり:
フリーダイビングとスキンダイビングは、素潜りだけど「スポーツ」と「レジャー」という違いがあるのですね。よくわかりました!
フリーダイビングの魅力
さおり:
最近、毎月のように沖縄の海に行ってる様子をSNSでよく見かけますね。そんなにもハマるフリーダイビングの魅力って何でしょうか?
へいすけ:
仕事がら、普段はパソコンやスマホなど、デジタルデバイスにまみれまくっているので(笑)、海の中でデジタルデトックスしつつ、心身をリラックスさせて自分と向き合うスポーツ、というのがハマった理由かなぁと思います。
ただ「海の中気持ちいいな、魚がきれいだな」のみだったら、ここまでハマらなかったと思います。
わかりやすくまとめると、以下の4つがハマった点ですね。
- 深い呼吸で自分を整える
- 心と体をリラックスさせる
- 身体の感覚を研ぎ澄ます
- 体を無駄なくイメージ通りに扱えるようになること
この4つすべてが、フリーダイビングの中には入っているんですよ。なおかつ、海の中なので「デジタルデトックス環境の下でやる」というのがいいですね。
まさに水の中の瞑想、水の中のマインドフルネスです。
さおり:
なるほど、心身をリラックスさせ、体の感覚や感性と向き合い、みがくスポーツなんですね。実際にフリーダイビングをやってみて、何か変化はありましたか。
へいすけ:
たくさんありました!1番の変化は、リラックスすることを日常でも意識するようになり、さらに実践できるようになったことですね。
※本橋へいすけのフリーダイビング用Instagramの動画
へいすけ:
フリーダイビングで1番重要なことはリラックス。心も体も脱力して、初めて深く潜れるんです。
逆にがんばろうと力んだりすると、息が苦しくなったり、耳抜きができなかったりします。
実際、波が高くてコンディション(泳ぐ環境)が悪いときや、なんとなく調子が悪くて「今日はもうダメかな。なら、あと1本は適当に潜ろうか」と思ったとき(リラックスしたとき)に、意外と最高記録が出たりするんですよ。
さおり:
「がんばろう、気合いを入れなきゃ!」などと意識せず、リラックスするからこそ良い結果が出るんですね。通常の仕事での心境とは逆のイメージで、意外です!
へいすけ:
そうですね。あと、フリーダイビングを初めてすごく印象的でおもしろいなと思ったことがあって……。
さおり:
何ですか。
へいすけ:
普通のスポーツとか仕事でもそうですけど、何か達成したときとか、新記録を出したときってだいたい「がんばったね!」とか「すごいね!」とか言われるじゃないですか?
けど、フリーダイビングで最高記録とか出したときにインストラクターさんから言われる言葉って「気持ち良く潜れていましたね」「気持ち良さそうでしたね」「リラックスできたね」とかなんですよ。
すごい新鮮でおもしろいし、リラックスすることで1番良いパフォーマンスが出るって……なんか人生に通じるなぁって思って。そんな世界観もハマった理由の1つかもしれませんね。
さおり:
確かに、リラックスしたことを評価してもらえる機会って、あまりないし新鮮ですよね。話を聞いて、リラックスすることを普段から意識したいなぁ、と個人的にも思いました。
幼いころから耳が弱くてやることさえ諦めていた
さおり:
もともとスキンダイビングに興味があったんでしょうか。
へいすけ:
そうですね。前からスキンダイビングに興味はあったんです。けど、躊躇してなかなかチャレンジできなかったんですよ……。
さおり:
それは、なぜですか。
へいすけ:
実はぼく、幼いころから中耳炎と外耳炎を繰り返すくらい耳が弱くて。大人になっても飛行機に乗ると、2~3回に1回は耳がすごく痛くなって(耳が抜けない)つらいくらい、耳が弱いんですよね。
さおり:
そうだったんですか。確かに、耳が弱い場合、海に潜るのって勇気いりますよね。そんな中、なぜフリーダイビングにチャレンジしたんでしょうか。
へいすけ:
当時、ちょうど自分のコンサルト業の課題もあって、認知科学をベースにしたコーチングスクールに通ってたんですね。
コーチングスクールでは「クライアントにセッションを行う前に、自己適用していないとできるわけがない!!」とのことで、半年のスクール在学中にコーチ自身が現状の殻を破って、いまの延長線にない未来へ変化していくんです。
そのころ、ぼくはコーチングスクールに在学中ということもあって、普段だったらチャレンジしなかったかもしれません。
ですが「明らかに『現状の殻の外』であるスキンダイビングを挑戦しよう!」と思って、宮古島に滞在中に急に決断して、サンシーダイブさんにレッスンを申し込みました。
さおり:
コーチとして自己適用するために現状の殻を破って、これまでだったら「あり得ない選択(現状の殻の外)」なフリーダイビングにチャレンジしたんですね!
大きなチャレンジですね。
初めての海の中で息を止めたあの日の感覚
※実際にスキンダイビングをしている代表
さおり:
耳が弱いとのことでしたが、実際に初めてスキンダイビングをしてどうでしたか。
へいすけ:
いや〜、全然耳抜き(意図的に耳管を開くこと)ができなかったです。最初、水圧がかからないやりやすい陸上でやるんですけど、まったくできなかった……。
いろいろやり方を教えてもらうけど、どうにもこうにもまったくできない。
そんな様子を見て、先生から「陸でできなかったら、水中では絶対できないですよ。まずは『シュノーケル』※ をつけて練習しましょう!」と言われましたね。
それを聞いて「平泳ぎとかなら何メートルでも泳げるので、これは余裕かな」と思ったんです。
でも実際は、膝くらいの深さしかない水の中でパニックになり、シュノーケルを口にくわえているのに呼吸できなくて溺れかけるという事態が発生しました(笑)
※シュノーケル:水の中で使用する呼吸用のパイプ。つけることで、顔を出しての息継ぎが不要になる
さおり:
それはなかなか前途多難ですね……。
へいすけ:
はい(笑)でも、2~3回やったら慣れたので、次は2〜4mくらいの水の深さのところに連れてってもらい、スキンダイビングの練習に入りました。
これが意外にも、まっすぐに下に潜れないんですよ。斜めになったりして……。けど何度か先生に教えてもらううちにできるようになりましたね。
うまくいくときって、重心移動だけでスッと下に潜れます。しかも、力を入れていないので一気に-2~3mくらいの深さまで潜れるんですね。
「おぉ〜気づいたら下まで来てた……!」みたいな。
下のほうまで潜っていったら、横に泳いだりしました。
「あぁ〜海の中気持ちいいなぁ〜、珊瑚きれいだな。魚もいる!」という感じで、すごく良かったですね。
そのときは、すぐに息が持たなくなって、水面に上がるんですけどね。
耳抜きはまったくできなかったですが、スキンダイビング自体はすごく心地よく楽しかったので「今回だけで終わるのではなく、続けたいな」と思いました。
耳抜きができない、でもどうしても潜れるようになりたい
さおり:
その後はどうしたんでしょうか?
へいすけ:
福岡に帰って調べたら、1件だけスキンダイビングを教えているところがあったので夏前に申し込みました。
相変わらず耳抜きはできなかったけど、呼吸法を教えてもらったのがすごくよかったですね。
それまでは、息止めが1分くらいしか続かない状態だったのですが、教えてもらったその日には一気に2分20秒まで伸びました!
さおり:
一気に1分以上も伸びたんですか!すごいですね。
へいすけ:
はい。その後、夏の終わりとともに1回間が空いてしまったので、年末に沖縄に行くついでに海に潜ってみたんです。
さおり:
冬なのに海に潜ったんですね。でも、水温は寒くなかったんですか。
へいすけ:
ちょっと寒かったですが、冬の沖縄だと海水温は20度ちょっとあるんですよ。サウナの水風呂よりは温度が高いので、ウェットスーツを着て入るなら、まぁ大丈夫でしたね。
サウナ好きの人は、たぶんこの情報で冬に沖縄の海へ入ることは、だいぶ抵抗なくなるんじゃないかな〜と思います。
さおり:
なるほど、沖縄の冬のイメージが良く湧きました!実際、海に潜ってみてどうでしたか。
へいすけ:
肝心のスキンダイビングは息が長く持つようになって、ゆとりもあるけど「やっぱり耳抜きができなくて下のほうに潜れない……」という状態でした。
長く海の中に入れるのは楽しいし、魚もきれいでしたよ!やっぱり、スキンダイビングは楽しい。
でも、呼吸には余裕があるのに下のほうに潜れないことが、どうしても悔しくて。
どうしても-10mは潜れるようになりたくて「ちゃんと向き合おう!」と、再度決断したのが2021年12月です。
ここから、毎月宮古島を中心に海へ行くようになります。
さおり:
悔しさから毎月海に行く決断したのですね……!
へいすけ:
はい。それからは、海に行ってない間にYouTubeやブログで耳抜きの解説動画を見まくりました。
すると、どうやら医療用の風船の「オトヴェント(自己耳管通気器具)」がAmazonで2,000円くらいで販売されていて、それを使うと96%くらい人は耳抜きできるようになるという記事を見て、さっそく購入しました。
さおり:
そのオトヴェントって、どんな風に使う器具なんでしょうか。
へいすけ:
オトヴェントは、鼻で風船を膨らませることで、耳抜きが可能になる器具ですね。で、風船を使うとすぐに耳が抜けたんですよ。「もっと早く知っておきたかったな……」と思いましたね(笑)
さおり:
耳抜きができたんですね!なら、安心して海に潜れますね。
へいすけ:
ぼくもそう思いました。「よし!これでようやく耳が抜けるようになった!」と、いざ海に入ると……耳が抜けない。
さおり:
海の中では耳抜きできないんですか。
へいすけ:
陸では抜けても、頭を下にする海の中だと抜けなかったんですよ。
通常のダイビングをやる人は、通常耳抜きできるんですが、ヘッドファースト(頭から)で潜るフリーダイビングになると耳が抜けなくなる人も多い、あるあるな現象なんです。
さおり:
頭から潜る方法だと、耳抜きができなくなることがあるんですね。
へいすけ:
はい、ぼくも漏れなく該当しました。実際にこのころは、頭を上だと耳抜きできるし、呼吸も海の中でも1分くらいは持つようになってなっている状態で。
なので「頭を下にして潜り、耳が抜けなくなると頭を上にして耳を抜いて、また下に潜る……」というめちゃめちゃ効率の悪い泳ぎ方をしていました(笑)
でも、このジグザグ走行でなんと-15mまで潜れたんですよ!
さおり:
一般的には-5~10mくらいの人が多いんでしたよね。-15mも潜れたとのこと、すごいですね……!
※本橋へいすけのフリーダイビング用Instagramの動画
後半の記事では、代表の本橋がフリーダイビングのライセンスを取得するまでのプロセスや日本代表のフリーダイバーから習った心境、無理をして危険だった経験など、-40mまで潜れるようになるまでのリアルなストーリーをお届けします。
▼以下の記事から続きをご覧くださいね。
関連記事【フリーダイビングは究極の自己対話|弊社代表・本橋へいすけインタビュー【後編】】
(執筆・編集:上野さおり)
当メディア編集部(さおり)が今回インタビューしますね。さっそくなんですが「フリーダイビング」と「スキンダイビング」って違うんでしょうか。
そう、実は違うんですよ。 ではまず、2つの違いを簡単に解説しますね!