フリーダイビングは究極の自己対話｜弊社代表・本橋へいすけインタビュー【後編】
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身体１つで海の中にひと息で潜る「フリーダイビング」。
弊社（feppiness株式会社）代表の本橋へいすけは、フリーダイバーとしても活動しており、スキンダイビングを初めて1年5ヶ月、フリーダイバーになって5ヶ月で-40mも潜れるようになりました。
前半の記事では、小さいころから耳が弱くて、耳抜きができなかった代表の本橋が、フリーダイビングの挑戦を決断し、-15mほど潜れるようになるまでのストーリーを紹介しました。
ここから、一体どのような過程を経て-40mを達成したのでしょうか。代表の本橋いわく「フリーダイビングは自己対話」とのこと。
今回は、-40mを達成するまでのストーリーをお届けします。
フリーダイビングのライセンスを取得したときの様子や、フリーダイビング日本代表から習った心境、そして危険だったリアルな体験談などを語ってもらいました。
▼前半の記事も見たい方は、以下をご覧くださいね！
関連記事【フリーダイビングは水の中のマインドフルネス｜弊社代表・本橋へいすけインタビュー【前編】】
目次
フリーダイビングのライセンスAIDA取得、-30mの壁を超えた
※本橋へいすけのフリーダイビングInstagramの動画
さおり：
ライセンスの取得を目指したのですね！
へいすけ：
はい。このままジグザグ走行も効率悪いし、何よりカッコ悪いなと思って。ライセンスはさまざまな団体があるのですが、調べた結果フリーダイビングをやるなら「AIDA」がいいかなと思って決めました。
さおり：
AIDAとは、どのようなライセンスなんですか。
へいすけ：
AIDAには、入門編の「AIDA1」からマスターフリーダイバーの「AIDA4」があります。
ぼくの場合、入門レベルは超えていたので、初心者向けのAIDA2から受験しましたね。
AIDAでは、フリーダイビングの知識や実技、レスキューも含めてちゃんと学べたのが良かったです。頭を下にして潜る、ヘッドファーストでの耳抜きのコツも少しずつ掴み始めたのもこの頃です。
さおり：
前回、ヘッドファーストでの耳抜きがうまくできずに苦戦したとおっしゃっていましたよね。
へいすけ：
はい。でも、このときは-8〜9mくらいは頭が下でも抜けるようになっていきました。
そこから、AIDA2の基準である、
- -12mの深さまで潜る
- 息止め2分
- 横潜水40m
も無事にクリアしましたよ。
さおり：
そうなんですね！ライセンスを取得するまでは、どのように練習をしたんでしょうか。
へいすけ：
ぼくが運営する事業主コミュニティー「for you」のメンバーで、スキンダイビングにハマった人と一緒に1週間滞在して、ライセンスの前も練習しました。
そして、2022年3月にAIDA2を無事に取得したんです。
最初のころは深く潜ると耳が抜けなくなりましたが、毎月海に行くたびに少しずつ、その深さが伸びていきました。
そして2ヶ月後の2022年6月に、中級ライセンスであるAIDA3の基準である、
- -24mの深さまで潜る
- 息止め2分45秒
- 横潜水55m
をクリアしてAIDA3を取得。
さらに、1つの夢であった-30mを達成しました！
いざ、海中宮殿へ
※海中宮殿を潜る様子
さおり：
順調にライセンスを取得していったのですね。やはり、ずっと練習していたんでしょうか。
へいすけ：
そうですね。トレーニングばかりでしたが、深く潜れるようになったので「いつか行ってみたい」と思っていた、与論島の海中宮殿へ行きましたよ！
さおり：
海中宮殿ですか！どのくらい深い場所にあるんでしょうか。
へいすけ：
海中宮殿は-18mくらいあります。なので「-20mは余裕を持って潜れないと厳しいな」と思っていたんです。
だからこそ、ずっと目標にしていた場所で潜れたり、初めての沈船を潜ったりできて感無量でしたね。
ひさびさに、遊びで潜れたのも良かったです。
※沈船の近くを潜っている代表
フリーダイビング日本代表から学ぶトップの心象風景
さおり：
確かそれから、2022年の7月・8月に現役の日本代表のフリーダイバーからレクチャーを受けたんですよね。
へいすけ：
はい。7月に、普段はフィリピンの「パングラオ島」という、世界中のフリーダイバーが集まっている島でトレーニングしている梶 眞理子さん（以下、まりこさん）が夏の間に石垣島に戻るということで、習ってきました。
8月は同じく、日本代表の菊本 丞馬さん（以下 じょうまさん）が8月の1ヶ月間、長崎の壱岐島でフリーダイビングのトレーニングを募集していたので参加してきました。
さおり：
現役の日本代表から習えるってすごいですね。
へいすけ：
フリーダイビングは、まだ競技人口が少ないこともあってか、やっている人たちの距離感も近く現役のトップアスリートから習えて最高です！
ぼくは昔サッカーやっていたのですが、サッカーでいうと中田英寿さん、本田圭佑さん、澤穂希さんから直接習えるようなものですから。
さおり：
それはとても貴重な機会ですね！実際に日本代表の人から習ってみて、どうでしたか？
へいすけ：
めちゃめちゃよかったです……！
まりこさんは、最初に泳ぎを2秒見ただけで、その泳ぎの美しさに感動しました。指導も丁寧にしていただいたので、最初の1日だけでもかなり上達しましたよ。
※本橋へいすけのフリーダイビングInstagramの動画
へいすけ：
フリーダイビングを深く突き詰めているからこそ、細かな部分などを知れて良かったですね。
じょうまさんも、まりこさんとは違った角度でさまざまことを深く突き詰めていて、その経験に裏付けされたことを教えてもらえて技術も上達しました。
何よりその時間自体がしあわせを感じましたね。
実際、この2ヶ月で自己ベストもさらに10m伸びて-40mまで潜れました！
さおり：
2ヶ月で-40mを達成したのですね……！すごいですね。
へいすけ：
はい。あと、習っていて印象的だったのは、おふたりとも安全意識がすごく高いなと感じたことです。
おそらく深いところまで潜っていて、いろんな危険なことを知り、経験があるから危機管理がしっかりしているんだなと。
安全面の意識の高さを肌で感じられたことも、大きな財産となりました。
絶対無理してはいけないと痛感した-40mで危なかった話
さおり：
トップのフリーダイバーの方が、安全意識がすごく高いことを体感したんですね。やはり、海の中は危険なこともありますよね。
ちなみに、フリーダイビングで危なかった経験はありましたか。
へいすけ：
ありますね。-40mの自己ベスト出したとき、危険な目に遭いました……。
さおり：
どうなったんですか。
へいすけ：
ちょっと耳の調子が悪くて「正直これ以上潜るのは厳しいかも」と感じた瞬間があったんです。でも、もうすぐで-40mに到達しそうだったのもあり、ちょっと無理してしまって。
そのとき、右耳が「ポーン」と音が鳴りました……。
さおり：
耳から音が鳴ったんですね……！大丈夫でしたか。
へいすけ：
幸い、平衡感覚とかも特に崩れなく、水面上にも無事に上がれました。
だけど、やはり耳を痛めてしまって……病院に行きました。
「鼓膜が破れたわけではない」と言われてホッとしましたね。幸いきれいに穴が空いただけだったみたいで、大体2週間くらいで治りました。
さおり：
それは危なかったですね……。
へいすけ：
そうですね。事前に、フリーダイビングの本も何冊か読んで怖さも知っているつもりだったので、普段は無理しないんですが、
- -40mの大台の記録が目の前
- その日がトレーニングの最終日
- 翌日にイベント登壇があり、フリーダイビングのことを話す予定だった
と、いろいろなことが重なり、ついつい欲が出て下に潜ってしまいました……。
しばらく耳が不自由な生活だし、トレーニングもできなくなったので「もう絶対無理はしない！」と心に誓いました。
さおり：
フリーダイビングは魅力もたくさんですが、やはり安全面には注意が必要ですね！
これから先、フリーダイビングとの関わりかた
※運営する「for you」のコミュニティーのメンバーと海に潜っている様子
さおり：
ライセンスを無事に取得して、-40m潜ることにも達成したんですよね。そんな代表ですが、今後はフリーダイビングとはどのように関わっていきたいですか。
へいすけ：
フリーダイビングは心と体のケアや良い状態を保つのにいいですし、仕事にも良い影響なので定期的に続けていきたいですね。
月に1回くらいは海に潜れるのが理想ですが、間は空いても2ヶ月までですね。それ以上空くと、フリーダイビング に限らず自分の身体の感覚が鈍化していくので良くないです。
記録としては、まずは-50mまでは2023年中には最低達成したいですし、フリーダイビングの大会にも出てみたいです。
そうして続けた先に、日本代表や日本記録に挑戦できたら最高ですね！
さおり：
まだまだ、大きな目標があるのですね……！
へいすけ：
はい。あと、自分のまわりには経営者や事業主の人が多いので、そういう人たちにフリーダイビングを広めていきたいです。経営者の人はハマると思っていて……。
なのでまずは、運営しているコミュニティー「for you」の合宿で、定期的にみんなと海に潜って広めていきます（笑）
さおり：
運営されている「for you」のメンバーさんとは、現在どのくらいの人数の方と一緒に海へ潜っているんでしょうか。
へいすけ：
「for you」は現在80人規模のコミュニティーですが、この1年で海に入ってスキンダイビングに挑戦した人は10人以上、フリーダイビング のライセンス保持者も3人になりました！
いま、日本で1番フリーダイビング に力を入れている、ビジネスコミュニティーですよ（笑）
コミュニティのメンバーさん以外も合わせると、すでに30人くらいはスキンダイビングデビューしましたよ。
さおり：
それは業界にも貢献していますね（笑）それほどハマるフリーダイビング、今回はその魅力がよく伝わりました！
ステキな体験談、ありがとうございました。
▼前半の記事を見たい人は、以下ご覧ください。
関連記事【フリーダイビングは水の中のマインドフルネス｜弊社代表・本橋へいすけインタビュー【前編】】
（執筆・編集：上野さおり）
前回、未経験からフリーダイビングに挑戦して-15mまで潜れたとのことでしたよね！ そこから、どうしたんですか？
技術向上を目的として楽しむスキンダイビングから、本格的にフリーダイビングを学んでライセンスを取ろう！と思いました。